平成27年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業
NPO法人バーチャル工房やまなし
- 目次
- 1 事業の背景
- 2 目的
- 3 事業全体の内容
- 4 連携団体と実行委員会の設置について
- 5 ネットワーク作りの為のICT支援活動の内容
- 6 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の内容
- 7 ネットワーク作りの為のICT支援活動の実績
- 8 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の実績
- 9 事業全体の成果
- 10 ネットワーク作りの為のICT支援活動の成果
- 11 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の成果
- 12 事業全体の成果の考察
- 13 見えてきた課題
- 14 今後の取り組み
1 事業の背景
現在、地方自治体の福祉施策においては地域移行が進み、多くの高齢者・障害者の方々が地域で暮らすようになってきています。
しかし、外出が困難な重度身体障害者や足腰に不自由さを抱える高齢者の孤立が進む中、支援するサービスがあっても手が行き届かない、それを必要とする方々に情報が行き届かないなど、社会参加する為の環境がまだ十分に整っていません。
[孤立が進む原因]
① 若い人たちの県外移住や少子化の影響などから高齢者の独居世帯が増え、県内の多くの地域で過疎化が進んでいる
② 県内の公共交通機関は利便性が良くない為、運転免許証を所有していない高齢者や障害者の外出は家族や移動支援事業者に頼ることが多く、気軽な外出が困難になっている
③ 障害者の潜在能力を活かす機会が少なく、次第に気力、体力ともに低下し地域とのかかわりが希薄になる
④ 高齢者や障害者が社会参加したいと思っても、希望に合った支援やサービスの情報を得られず、次第に引きこもってしまう
⑤ ベッドや特殊な車いすでの生活をしている重度障害者は、外出も身体的な負担になる為、毎日を自室で過ごさなければならない
⑥ 同居する家族の高齢化などから、外出する機会が少なくなる
高齢者・障害者にとってのICT
現在、ICT機器を利用した各種サービスが普及していますが、多くの高齢者・障害者の方々は思うように利用できません。そのうえ、多くの方々がICT機器を利用して交流しているにもかかわらず、ここでも高齢者・障害者の方々は取り残されつつあると思われます。
[高齢者 障害者がICTを利用できない 使いこなせない原因]
① ICT機器を手にしたこともなく、初めから利用できないと思ってしまう
② ICT機器に興味を持っていても、操作に不安がある
③ ウイルスや詐欺に対する不安がある
④ ICT機器の便利な使い方を習得できない
⑤ 心身の障害から、ICT機器を使えないと思い込んでしまう
⑥ ICT機器の使い方を丁寧に教えてもらえる機会に恵まれない
⑦ 家族や介助者が忙しく、これ以上負担を掛けたくないと思ってしまう
⑧ 各々の障害に応じた使い方を知る機会に恵まれない
2 目的
(1)全体
高齢者・障害者の方々がICT機器を利用して容易に他者と交流ができる環境を作り、孤立を防止することを目的としました。
ICT機器を利用してコミュニケーションの輪を広げることで、自らが持っている可能性を見い出しながら社会参加の意欲を持っていただくとともに、生活の利便性を高め地域社会との繋がりの中で、充実した生活が送れることを目指します。
(2)ネットワーク作りの為のICT支援の目的
孤立防止の為の支援が必要な方に対して、積極的に働きかけて支援を実現させるために、当事者を含むネットワーク(各々の生活スタイルに合ったネットワーク)作りを行ないます。
その為には、ICTの活用法などを当事者の方々にもより深く知っていただく必要があるので、ICTを活用したコミュニケーション方法や年齢や障害などに合ったICT機器の選択や使用方法を学ぶ機会を提供して、当事者個々のスキルアップを目指します。
(3)地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の目的
高齢者・障害者の方々の孤立を防止する手段として、ICT機器を利用したネットワーク作りの有効性を、当事者や地域の方々に周知する為の小冊子を作成し、普及啓発活動に使用します。
3 事業全体の内容
高齢者・障害者の方々の孤立防止の手段として、ICT機器を利活用したネットワークを構築する為に、訪問・遠隔・学習会による支援と各々の生活スタイルに合ったネットワーク作りに関する小冊子の作成・配布を行ないます。
4 連携団体と実行委員会の設置について
本事業は、実行委員会を設けて事業実施にかかる課題の把握、整理、検討及び事業の進捗管理を連携して実施しました。
実行委員会は、本法人より委員長、各連携団体から委員を1名選出、本法人事務局より1名参加して計7名で構成し、事業を進める上で必要な情報(個人情報を含む)の管理、支援者の派遣と実施についての管理、助成金の収支の管理、報告書の作成は、助成金申請団体である本法人(NPO法人バーチャル工房やまなし)が行ないます。
○連携団体名他と連携内容
一般社団法人日本筋ジストロフィー協会山梨支部
所在地 甲府市
活動範囲 山梨県全域
南アルプス市障害者福祉会
所在地 南アルプス市
活動範囲 峡西地域
甲州市視覚障害者福祉会
所在地 甲州市
活動範囲 峡東地域
特定非営利活動法人楽しく笑って人生を過ごす山梨手話の会
所在地 甲斐市
活動範囲 峡中地域
在宅障害者外出支援サークルごっこ
所在地 富士河口湖町
活動範囲 富士五湖地域
連携団体は 実行委員会に属します
連携内容は 高齢者 障害者のニーズの把握 支援希望者の受け付け セミナーの共催をいたします
5 ICT技術を用いたコミュニケーションを実現させる為の訪問支援活動の内容と実績
(1)支援の流れ
本法人と連携団体が把握したニーズを基に、支援希望者からの申し込みを受け付けた後、その内容を検討した上で対象者を決定し、日時の調整を行ない支援します。
① 本法人と連携団体が支援希望者を受け付けます
② 申し込みを受けた連携団体は、「支援受付票」を作成して本法人へ提出します
③ 本法人は「支援受付票」の内容を検討し、日時調整と内容の確認をした後、支援者に依頼します
④ 支援対象者に支援を実施する日程を伝えます
⑤ 支援を実施します(訪問、遠隔、学習会の開催)
⑥ 支援者は本法人に、支援を実施した日時・内容・支援対象者の様子などを報告書に明記して提出します
⑦ 必要に応じて継続して支援します
⑧ 支援後は、支援実施内容などを連携団体にも報告します
⑨ 実施委員会で効果の検証を行ないます
(2)訪問支援について
外出する為の移動手段を確保するのが難しい方や、障害に合わせた特殊な仕組みを施したICT機器をお使いで代替機がない方などには、直接ご自宅などに出向いて支援を行ないます。
また、視覚に障害をお持ちの方への支援には、視覚に障害がありながらもパソコンを使いこなしている方と晴眼者が一緒に訪問して支援を行ないます。
(3)遠隔支援について
遠隔による支援は、移動手段が確保できない方、訪問支援を受けるのに抵抗がある方、訪問支援を受けた後にもICT機器の操作方法に不安が残る方、スカイプを使用した会話に慣れたい方などを対象に、遠隔支援担当者が本法人のICT学習センターから、スカイプを利用して行ないます。
6 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の内容
ICTを活用したネットワークの構築が、高齢者・障害者の方々の孤立防止に繋がることを地域の方々に知っていただく為、小冊子「ICTで世界を広げよう」を作成します。
内容は以下のとおりです。
① ページ数
全8ページ(表紙含む)
② 各ページの内容
1ページ
表紙 「ICTで世界を広げよう」~やりたいを叶える 夢を叶える~
2ページ
自分の生活スタイルに合った地域とのネットワーク作りについて
高齢者・障害者がICTを利用できない、使いこなせない原因について
3ページ
こんなご希望を持っていませんか?
4~5ページ
ICTを活用した地域ネットワークの姿について
6~7ページ
Skype(スカイプ)の紹介
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の紹介
8ページ
裏表紙(事業実施団体・協力団体の掲載)
③ 音声コードの掲載
視覚障害者の為の音声コードをすべてのページに掲載
④ 印刷冊数
500冊
7 ネットワーク作りの為のICT支援活動の実績
(1)ICT支援活動全体の実績
支援対象者(予定人数20名)
高齢者6名(内 障害あり5名)
障害者19名
合計25名
支援対象者の居住地と市町村数
甲府市3名
甲斐市4名
甲州市2名
山梨市2名
富士吉田市3名
富士河口湖町2名
鳴沢村1名
山中湖村1名
都留市1名
南アルプス市6名
スカイプを使った手話通話体験学習会の参加者
50名(聴覚障害者、地域の支援者)
支援回数
訪問支援
支援者2名 15回(視覚障害者には2名で訪問)
支援者1名 53回
合計68回
遠隔支援
合計 31回
学習会開催
合計 10回
支援担当者数
訪問支援担当者8名
ICT学習センターから遠隔による支援担当者3名
学習会支援担当者6名
※担当が複数の者あり
支援者の支援時間
訪問支援
支援者10人×3時間 計30時間
支援者73人×2時間 計146時間
合計176時間
遠隔支援
支援者31人×2時間 計62時間
合計62時間
学習会
支援者10人×3時間 計30時間
支援者10人×2時間 計20時間
支援者 4人×1時間 計 4時間
合計54時間
(2)訪問支援の実績
各支援対象者の要望、支援した内容の順です。
視力低下に不安があるが、パソコンを利用して家族や周囲の人へ自分の思いを伝えたい →
ワードを使って年賀状・誕生日カード・メッセージカードの作成を支援
データのバックアップ方法やメディアプレイヤーの設定、音楽の取り込み方法、エクセル操作などを習得したい →
音声ソフトを利用しているので、パソコンの設定を工夫し、容易に音楽を楽しめる方法を支援
使いやすくする為にパソコンの設定変更や音声ソフトの利用方法を習得したい ・ 意にそぐわないアップグレードの防止措置、音声ソフトの活用法 ・ iPhoneをもっと使いやすくしたい ・ 日常利用する表の作成を習得したい →
iPhoneのアップデートと使い方の改善、ワードでの表の作成と入力の方法などを支援
Windows10アップグレードによる不具合を改善したい ・ 日常利用する表の作成などを通し、効率の良いショートカットキーの活用を習得したい →
アップグレードによる不具合改善、ワードの表作成と編集、効率の良い操作などを支援
新規購入されたパソコンの環境設定、音声ソフトなどのインストール操作方法を習得したい →
視覚障害者向けソフトのインストールと、アカウント設定、音声ソフトの不具合の調整と確認などを支援
新しいパソコンの各種設定と視覚障害者向けソフトのインストール、操作方法を習得したい →
音声ソフトのインストール、古いPCからのデータ移行、Windows7の操作方法などを支援
視覚障害者向けソフトをより深く習得し、趣味の俳句作成に活用したい ・ 音声図書のダウンロード方法も習得し、仲間との交流の機会を増やしたい →
マイワードの操作方法全般、操作しやすい設定、ファイル削除の方法、音声図書への登録、利用方法などを支援
ICT機器を使って在宅就業をしたい ・ 精神に障害があるので、心身に負担がかからないペースで支援を受けたい →
ワードの基本操作、年賀状作成、チラシ作成、印刷の方法などを支援
パソコンの学習機会に恵まれずにいたので、パソコンを使いやすい設定にする支援や、ワードの高度な機能の学習などを受けたい →
OS起動時の不具合修正、マウス設定の変更、ワードによる表作成、はがき作成、効率の良い操作方法の解説などを支援
普段からパソコンを使用しているが、操作に不都合を感じた時の対処法を知りたい →
プリンターの設定、エクセル操作、e-Taxの操作を支援
インターネットの不具合などを改善したい →
インターネット接続の不具合復旧、セキュリティーソフトの更新を支援
新規購入した視覚障害者向けソフトの操作方法を学習して、趣味の幅を更に広げたい →
ネットリーダーのインストール、初期設定、基本操作などを支援
日常の簡単な計算をパソコンでしたい ・ OCRソフトの使用方法を知りたい →
パソコンの電卓機能を使った計算、エクセルでの家計簿の付け方、OCRソフトの使用方法などを支援
ICT機器を使ったコミュニケーションを、介助者なしで行ないたい →
作業療法士の方と一緒に訪問し、ICT機器の操作性を体位から判断して改善、入力代替機器の調整、「デンノシン」を使った操作の確認などを支援
(3)遠隔支援の実績
各支援対象者の要望、支援した内容の順です。
パソコンを使いやすい設定にして、もっとICT機器を活用したい →
パソコン環境の整備、ウェブマイクの不具合の解消、パソコンの基本操作、不要な表示の削除などを支援
趣味をとおして仲間作りをしたい →
インターネットの利用の方法、視覚障害者用読書機の接続などを支援
ICT機器を使って在宅就業に就き、もっと多くの人と交わりをもちたい →
ワードの基本操作の習得とポスター・リーフレットなどの作成方法、就業に必要なICT機器の知識についての学習などを支援
音声ソフトの利用方法の理解を深め、もっとパソコンを活用して多くの人と交わりたい →
音声ソフトの操作・利用の支援、メール送受信、インターネットの利用、エクセルの活用などを支援
(4)学習会の実績
支援対象者の要望、支援した内容、参加延べ人数、開催回数・延べ支援時間の順です。
スカイプを利用したい(聴覚障害者・高齢者)
スカイプを利用した手話ビデオ通話と複数カ所での同時手話ビデオ通話の体験、アプリのダウンロード、アカウント作成の解説、複数での通話体験などを支援
56人
2回・計4時間
パソコンをもっと生活の中で活用したい(聴覚障害者・高齢者)
・ワード2010の文書作成サポート、操作説明
・持参された新規購入パソコンの起動、終了、画面操作についての解説、マウス設定、演習
・マウスの扱い方をゲーム感覚で練習及び文字入力
・ワード描画ツールを使ってロゴ作成
・Win8.1ワード文書入力、編集、文字変換の応用
・所属団体の名簿作成
・片手によるかな入力、固定キーを使用した入力、マウス操作
・WindowsタブレットPCの文字入力(フリック入力)、ワード文書入力、編集、印刷
・タブレットワード文書入力、ウェブカメラを使ったスカイプのビデオ通話
・ワードとエクセルの操作(フォント、文字ポイント、表作成など)
・生活の中にICTを取り込む為の、基本的な質問にも対応
22人
8回・計21時間
8 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の実績
「ICTで世界を広げよう」は、事業主体である本法人の会員及び協力団体による配布の他、市町村立各施設、社会福祉協議会、障害者福祉協会、山梨県ボランティアセンターなどの施設から配布していただきました。
9 事業全体の成果
成果の内容、人数の順です。
生活スタイルに合ったネットワークを作れた → 5人
生活スタイルに合ったネットワークを作るきっかけとなった → 16人
ICT機器が使いやすくなり、他者と交流しやすくなった → 7人
ICT機器を使って初めて意思を伝えられるようになった → 2人
他者との交流を含め、ICT機器の利用の幅が広がった → 22人
ICT機器を利活用した在宅就業で、社会参加できることが可能になった → 3人
ICT機器を使ってできる仕事の幅が広がった → 7人
趣味をとおして交流が広がった → 3人
ICT機器を使って手話で交流できることが分かった → 53人
10 ネットワーク作りの為のICT支援活動の成果
視力低下による不安がある → 音声ソフト導入済みのノートパソコンを利用したことで視力の不安が軽減され、自分の思いを伝えることができ、他者との交流が深まった
データのバックアップ方法やメディアプレイヤーの設定、音楽の取り込み方法、エクセル操作などが思うようにできない → 繰り返しの支援による表作りをとおして、本人自らが、より効率的な操作を検討するなど、意欲的に取り組むようになった・読み上げソフトの設定内容も改善された
使いやすいパソコンの設定変更や音声ソフトの利用方法がよく分からない → 音声ソフトの操作方法に対する理解が深まり、安心してパソコンを活用できるようになった
視覚に障害があり、周りに適切な支援者がいないためiPhoneを使いやすくできない → iPhoneアップデートにより音声の質が向上して聞きやすくなり、できることの幅や知識が広がった
Windows10 アップグレードによる不具合があった → 思うような改善ができなかった
新規購入したパソコンの環境設定や音声ソフトなどのインストールや操作方法がよく分からない → 支援中にほぼ設定が終了し、読み上げ設定も前機種と同じレベルにできた・新規購入したパソコンでも、今までのデータを使い、操作練習も安心してできるようになった
視覚障害者向けソフトの操作に不安がある → 日ごろから視覚障害者向けソフトを活用されているので、ちょっとしたアドバイスで自立した活用ができるようになった
ICT機器を利活用して在宅就業に就きたいが、何から始めてよいのか分からない → ICT機器を利活用して在宅就業ができる道が開かれた
パソコンの設定や、ワードのより高度な機能を知りたいが、学習機会に恵まれない → もともと学習意欲が高く、ワード操作には慣れていたので、更に効率の良い手順を自身で判断し、工夫して作業ができるようになった
普段からパソコンを使用しているが、操作に不都合を感じた時の対処法が分らない → 不具合への対処法の理解が深まった
インターネットの不具合などが起こったが、視覚障害者向けのソフトでの対応方法がよく分からない → インターネット接続を復旧することができ、セキュリティーソフトの更新作業では、次回更新時必要な事項をパソコン内に保存したことで、将来への不安も払拭できた
新規購入した視覚障害者向けソフトの操作方法を知り、趣味の幅を更に広げたいが操作方法がよく分からない → 操作方法を習得でき、以前に比べてネット検索に時間をかけず音楽鑑賞や読書ができるようになった
日常の簡単な計算や、OCRソフトの使用方法を知りたいがよく分からない → パソコンでの計算機能の操作方法や、エクセルの復習で使い方を習得し、生活に利便性が生まれた。OCRソフトの操作方法も習得したことで、パソコンの使い方に幅が広がった
重度の身体障害があり、ICT機器を使っても、思うように意思の伝達ができない → 体位と操作器具の配置などが確保できたので、介助者にパソコンさえセッティングしてもらえれば、自分でパソコンを操作して意思の伝達ができるようになった
11 地域ネットワーク普及の為の小冊子の作成と配布の成果
地域の方々と一緒に高齢者・障害者の孤立防止について考える機会を提供できました。
更に、「ネットワーク作りの為のICT支援活動」で支援できなかった高齢者・障害者の方々にも、ICTによる生活スタイルに合ったネットワーク作りについて、知っていただく資料になりました。
12 事業全体の成果の考察
パソコンやスマートフォンなどのICT機器を使えば気軽に人と交われる時代になりましたが、心身に障害を抱える方、足腰に不自由さを抱えて外出が困難になったご高齢の方などは、思うようにICT機器を利用できず、人と心を通わす機会が希少になっていると思われます。
本事業で支援希望者の様々な要望に応えましたが、ネットワークが広がり絆を深められた方、ICT機器が使いやすくなり人と交わりやすくなった方、自らが持っている可能性を見い出して社会参加への意欲が高まった方など、その効果は様々です。
しかし、各々の生活スタイルに合ったネットワークを作り、孤立を防止するきっかけを提供できたのではないかと思います。
そして、今回の支援をとおして見えてきた課題を一つひとつ解決しながら、高齢者・障害者の方々が、地域社会の中でより豊かな生活を送っていただけるように、今後も孤立防止に繋がる支援を進めていきたいと思います。
13 見えてきた課題
今後、ICTを利用して高齢者・障害者の孤立を防止する為には、より多くの方々を支援できるネットワークを作りながら、以下の課題を解決して行く必要があると思われます。
① 支援終了後も継続してサポートする支援者の確保
② 専門性の高い要望に応える知識の習得
③ 支援活動を継続していく資金の調達
④ 学習会会場への移動手段の確保
⑤ 支援を必要とする方の実態とニーズの把握
⑥ 支援活動の拡大
14 今後の取り組み
連携団体とともに以下の事項に取り組み、ICTを利用した高齢者・障害者の孤立防止についての事業を進めて行きたいと思います。
① 本事業終了後も支援対象者のニーズを把握し、必要な支援を行なう
② 支援者の育成に努め、ニーズに対応できる体制作りを進める
③ 支援に必要なマンパワーを確保する為に、各福祉団体に働き掛け協力を募る
④ 支援活動の内容を充実する為、定期的に検討会を開催する
⑤ 地域に埋もれているニーズを掘り起こしながら賛同者を増やす
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